通帳を紛失すると悪用される?無くした時にするべき事は?

通帳 紛失 悪用

銀行で使った通帳を、帰宅後に元の位置に戻し忘れたりしていて、『そういえば通帳バッグの中に入れたまま?どのバッグだったっけ?!』なんて、通帳が行方不明になってしまうこと、ありませんか?

でも、それって…本当に家の中や、バッグの中にあるんでしょうかね?

家の中で、バッグのどれかに隠れているだけならいいですが、実は外で落としていたり、無意識にどこかのATMに置き忘れてきていたり…という紛失の可能性も、否定はできないですよね。

通帳を紛失すると悪用される?無くした時にするべき事は?

だって、どこにあるか分からないんですから。無事に家の中で発見されるまでは、紛失の可能性は消えないんです。

そして、そんな、通帳の紛失の可能性が出てきたとき、まず不安に思うことといえば、
『どこかで落したのかな?』
『誰かに拾われて、悪用されたらどうしよう』

ということではないでしょうか?

そこから、
『印鑑は手元にあるし、放置しても大丈夫では?』『探せば見つかるかもしれないし』と、ポジティブに考えて心を落ち着かせようとしたり、『悪用って何をされるの?』と気になって、再び不安になったりして、さぞ、心がざわつくことでしょう。

悪用される可能性があるのか、あるとしたらどんな悪用手口があるのか

そこで、今回はこの、通帳を紛失した場合に、悪用される可能性があるのか、あるとしたらどんな悪用手口があるのか、紛失した際の対処法などについて、ご紹介します。

予め知っておけば、いざ通帳が無い!となった時も、慌てずに済みますし、悪用の可能性や手口も、知っておくことで、対処ができます。
また現在、もしかして紛失したかも…?と不安に感じている方も、正しく冷静に判断や対処をするための参考として、ぜひお役立てくださいね。

 

通帳を紛失したらどうなる?どんな悪用リスクがあるの?

通帳を紛失して、自分が困ることといえば、まず思い当たるのは、記帳が出来ないので引き落とし確認が出来ない、ですね。
そして、通帳の悪用の方法として、多くの方が思いつくのは第三者によって、勝手に自分の口座からお金が引き出される、ことでしょう。

しかし、通帳でお金を引き出すには、基本的には印鑑が必要です。

通帳だけを無くしたらなら、印鑑は手元にありますから、預金を引き出される、つまり悪用される可能性は無いように感じられます。
普段記帳をしない、キャッシュカードしか使わないような人であれば、特に困らないですし、ネットで確認できるから…という方もいますよね。

なので悪用の可能性が無いなら、通帳の紛失は暫く放置してもいいんじゃないの?と、のんびりした構えてしまうケースもありますです。
しかし、本当に通帳だけの紛失なら悪用される可能性はないのでしょうか?

本当に通帳だけの紛失なら悪用される可能性はないのでしょうか?

その答えはNO!「悪用の可能性」はあります。実は通帳には、悪用される恐れがいっぱい詰まっているのです。
ではどんなリスクが考えられるのかみていきましょう。

 

 

通帳の悪用で考えられる代表的なパターン

前項では、印鑑無しでは、第三者が通帳を使って預金を引き出すことは出来ないが、それでも、紛失した通帳が悪用される可能性はある、と書きましたよね。

ここでは、その悪用の手口やパターンについて、代表的なものを、詳しくご紹介していきます。

 

預金を勝手に引き出される

これは、前項では基本的に印鑑が無いと出来ない、と書きましたが、金融機関や通帳によっては、キャッシュカードが無くても、通帳と暗証番号があれば、ATMで預金が引き出せるものもあるんですよね。

そういったタイプの通帳を紛失し、通帳に暗証番号をメモをしていたり、『1234』などの推測されやすい番号だった場合は、悪用される危険性は、かなり高くなります。

預金を勝手に引き出される

また、暗証番号では取引が出来ず、印鑑が手元にあっても、完全に安心は出来ません。何らかの方法で、届出印を偽装され、紛失した通帳から預金を引き出されてしまった、という被害の報告もあるのです。
新しい通帳だと、防犯のために表紙裏に届出印の表示が無いものが多いですが、古い通帳で、届出印の表示がある場合は、特に注意が必要です。

 

 

口座の名義人に成りすまされ、犯罪に利用される

通帳には、口座番号や名義人、他にも色々な情報が詰まっているので、紛失して誰かに拾われると、その情報が第三者に知られ、成りすまされて、オレオレ詐欺などの振込み先口座に使われるなど、犯罪に利用される可能性があります。

口座の名義人に成りすまされ、犯罪に利用される

こうして詐欺などに悪用され、巻き込まれてしまうと、自分は通帳を悪用された被害者であるにも関わらず、裁判所で罰金刑になったり、他の金融機関からも口座の解約を迫られたり、新規の口座も開設できないなど、社会的に恐ろしい不利益を被ります。
最悪の場合、詐欺組織との関係を疑われ、逮捕されるかもしれません。

 

 

闇金(ヤミ金融業者)などによる勝手な入金

紛失した通帳から、口座番号や名義人が第三者に知られる事により、闇金などから勝手に口座に入金(振込み)がされるという、悪用パターンです。
お金が入金されるならいいのでは?と思うかもしれませんが、これは実は、恐ろしいことなんです。

闇金(ヤミ金融業者)などによる勝手な入金

勝手な入金により、あなたが借りていないのに、勝手にお金を闇金から借りたことにされ、後日、法外な金利を含めた不正返金請求をされます。

闇金からお金を借りて、借金取りから追われるなんて、普通の人なら無縁の世界ですし、実際そういったこととは無縁に生きてきていても、こうした通帳の悪用により、突然巻き込まれる可能性があるんですね。怖いです。

 

現状、代表的な手口はこの三つです。

通帳の悪用と聞くと、ついお金を勝手に引き出されることばかりを考えてしまいますが、それ以外の、成りすましや闇金の入金などは、お金を失うだけでは済まない、人生が滅茶苦茶になってしまう恐ろしい悪用手口ですよね。

現状、代表的な手口はこの三つです。

そして仮にこういった詐欺などに巻き込まれた場合は、通帳がないので気付くにも遅れてしまうのではないでしょうか。ですので、通帳を紛失した!と思ったら、たとえ印鑑が手元にあっても、素早く、必要な対処をすることが必要です。

 

 

通帳の悪用を防ぐ!もし無くしたらするべき対処法

紛失したことに気付いた時には、まず何をしたらいいのでしょうか?
悪用を防ぐためにも、素早く出来る対処をしたいものです。

通帳を紛失した場合の対処法や手順を、ご紹介します。

 

早急に銀行へ通帳紛失を連絡する

まずは、なるべく早く、銀行へ連絡をすることです。
大抵の銀行には、通帳やキャッシュカードの紛失や盗難などを連絡するための電話番号があるのでそこに早急に連絡をし、紛失した通帳での引き出しなどを停止してもらいます。

通帳には磁気がありますが、ここに含まれる情報で1冊1冊が管理されているので、銀行に連絡して止めてもらうことで、その紛失した通帳ではもう、ATMでも窓口でも、取引が出来なくなる、というわけです。
ただし口座は生きているので、キャッシュカードなどでの取引は出来ますよ。

銀行によっては、通帳紛失時緊急電話番号もありますので、そういう番号がある場合は、そちらに速やかに連絡してください。

早急に銀行へ通帳紛失を連絡する

この電話連絡の後、銀行から照会状という郵送手紙が送られてくる、若しくは銀行に出向いて通帳喪失の届け出を出した後、照会状が送られてくる、など、銀行によって若干流れが違いますが、大体こんな感じの流れです。
照会状が届くまでには、だいたい1か月くらい、かかります。

照会状は…電話受付の場合に住居確認のために発行されるものです。
直接手続きする場合には、発行されない場合もあります。届いていなければ必要ありません。

照会状が届いたら、届出印や本人確認書類のコピーなど、必要なものを同封し必要事項を記入して、銀行に返送します。
返送では無く、銀行の窓口に持って行く場合もあります。

なお通帳の再発行には、通常は再発行手数料がかかります

最後に、通帳の再発行をします。なお通帳の再発行には、通常は再発行手数料がかかります。(だいたい1,080円)

ちなみに、銀行に連絡をするのは、通帳を止めて、不正利用を防ぐためでもありますが、勝手な預金の引き出しなどの悪用をされてしまった場合に、補償を受けるためでもあります。
銀行には、通帳やキャッシュカードの紛失や盗難によって、預金を引き出されるなどの被害にあった場合に、その被害額を補償してくれる制度があります。

補償額や割合は、各銀行によって違いますし、紛失した原因や本人の過失の有無によっては、補償が受けられない、または割合が減る可能性もありますが、「なくしたのは自分の責任と過失だし…」だなんて諦めず、必ず、銀行に連絡をして、通帳喪失の届け出をしてください。

 

 

警察に遺失届を出す

警察に遺失届を出します。
その際は、なくした場所や日付、時間など、なるべく細かく思い出して、届け出ます。
たとえば、電車や駅の中、デパートのATM、などなどの心当たりの場所、何時頃に電車でカバンを見た時はあった、その後、何時~何時頃の間にデパートで失くした!という感じですね。

逆に、なくした場所や日付、時間などがはっきりしない場合は、盗難などの事件性が無い限りは、警察では受け付けてもらえない可能性もありますのでしっかり思い出して、届けてくださいね。

警察に遺失届を出す

警察に届けることで、もし不正に預金が引き出されてしまった場合でも、防犯カメラの映像確認など捜査をしてもらえますし、また警察への届け出をしていないと、補償がされない銀行もありますので、ぜひ、届け出ることをおすすめします。

またこれは、私の個人的な想像なんですが、預金の引き出しの他にも、悪用パターンの項目でご紹介した、通帳が詐欺などに使われるような悪用を防ぐためにも、警察への届け出は有効だと思うんですよね。

そういった悪用をされた場合に、既に警察に通帳の紛失を届けた記録があれば、自分が犯罪に無関係な被害者であることを、証明するのに役立ちそうです。

警察に「通帳をなくした!」と届け出を出しにいく

もし、警察に「通帳をなくした!」と届け出を出しにいって、対応した警察の方に「でも自分でなくしたんでしょ?犯罪性はないね」と言われた場合はこうした悪用の危険性を訴えて、届出を受け付けてもらうように交渉するのも必要かなと考えます。

なお、警察に遺失届を出すと、番号を貰うことになります。
これは、受理番号といって、届け出の控えの代わりであり、遺失届を出して受理された証明にもなりますので、きちんと保管しておおきましょう。

 

 

紛失した通帳が見つかったら?

紛失したと思っていた通帳が見つかったら、どうしたらいいのでしょう。
『あ~見つかった~よかったよかった!』で済ませていいのでしょうか?

だめです。

紛失の際に、銀行にも警察にも届けていない場合は、見つかってめでたしめでたし、でいいのですが(危険なので届け出ないことを、おすすめはしませんよ)きちんと届出をしていた場合は、今度は見つかったことを、連絡します。

紛失した通帳が見つかったら?

銀行に、紛失の連絡や喪失届をしていた場合は、通帳の利用停止の設定をされていますので、『発見届』という手続きをしなければ、見つかった通帳を使うことはできません。
ただし、既に通帳の再発行が済んでいる場合は、紛失していて見つかった通帳の復活は出来ず、再発行した新しい通帳しか使えない、という場合もあります。(金融機関による)

なお、この発見届は、届出印、発見した通帳、本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)を持って本人が、銀行窓口に行くことで、手続きをすることができますよ。

届出印、発見した通帳、本人確認書類を持っていく

ちなみに、この本人確認書類は、写真付の証明書であることが望ましいです。写真が無い場合は、住民票と保険証、保険証と年金手帳、などなど、
二通必要としている金融機関もあります。

警察に通帳の紛失で遺失届を出している場合も、見つかったらきちんと連絡をしましょう。
これは、遺失届を出した際に、受理番号を貰っている筈なので、警察に電話をして、遺失届をしていたが見つかったことと、受理番号を伝えればOKです。

 

 

以上、通帳を紛失した場合に考えられる悪用の可能性や手口、紛失した場合、見つかった場合などの対処法についてのご紹介でした。
なるべくならこんな知識を使わずに、また通帳をなくすことなく、慌てずに済むのが一番なのですが、通帳の紛失は、気を付けていても、誰にでも起こりうるトラブルですから、対処法を知っておいて損はないと思います。

『通帳だけあっても、印鑑がなければお金はおろせないし』と心のどこかで、通帳だけなら大丈夫、と思っていた方は、結構多いと思います。
実は私も、詐欺などでの通帳の悪用のことを知るまでは、そう考えていました。

ですが、これを知ると、通帳は、口座の中身のお金も勿論大事ですが、通帳そのものに書かれている情報だけでも、悪い人にとっては、利用価値の高いものなんだ、ということがわかって、今まで以上に、通帳の管理はきちんとしようと、考えを改めました。

 

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