お盆にお供えするナスときゅうりの飾り物にはどんな意味が…
お盆のなすときゅうりの意味
毎年、この時期に入ると、梅雨空の鬱陶しい日が続きます。
でも、梅雨が明けるとやって来るのが夏休み!
子供達も楽しみにしていますが、親にとっても夏季休暇やお盆休みなど、
仕事から離れてゆっくりできる休日が取れるので、気分が高まります。
我が家の場合は、毎年、家族旅行も兼ねて、
お盆の時期に故郷の実家に帰省するのが恒例行事となっていて、
今年も今から計画を立てています。
お盆の行事は、地域によって違いがあるようですが、
私の地方では、13日の夕方にご先祖をお迎えし、
16日に送り火をしてお帰りいただきます。
お迎えする時には、様々なお供え物をするのですが、
その中の一つに、きゅうりとなすを使った置物があります。
小さい頃に疑問に思ったので、
どんな意味があるのか母に聞いた記憶はあるのですが、
鮮明には覚えていません。
そこで、今回は、改めて、お盆のお供え物である、
「なすときゅうりの置物」について調べてみました。
その意味を知ることで、気持ちも新たにご先祖の供養ができそうです。
皆さんも是非参考にしてくださいね。
なすときゅうりの置物の意味は?
なすやきゅうりで作られている置物。
きゅうりが「馬」、なすが「牛」を表しておりまして、
馬は精霊馬(しょうりょううま)、牛は精霊牛(しょうりょううし) と呼ばれます。
お盆の時期にご先祖様などの霊が、
あの世とこの世を行き来するための乗り物という意味があります。
これも諸説あるようですが、
一般的には、きゅうりは足の速い馬として見立てられ、
あの世から早く家に戻って来れるように、
ナスは歩くのが遅い牛に見立てられ、
少しでもこの世からゆっくり帰ってもらうように…
そんな気持ちが込められていると言われています。
ご先祖様を供養するお供物などを持って帰ってもらうために、
牛にしたという説もあります。
なすやきゅうりは夏野菜ということもあり、
丁度お盆の時期に調達できるということもありそうですね。
しかし、一方では七夕伝説にも関係するという説もあるのです!
ナスときゅうりは七夕伝説とも関係が…
なぜ、きゅうりやなすで精霊馬・精霊牛を
作り始めたのかについては諸説ありますが、
お盆は昔、旧暦の7月7日とされていました。
元々、日本には、7月の満月の頃(15日)に先祖の霊を祀る風習と、
その前の7日の半月に準備を行う、
棚機女(たなばたつめ)の風習がありました。
この7月の満月に先祖例を祀る風習と仏教の盂蘭盆と繋がり、
棚機女の風習が中国の風習と結びついて、
日本独特のお盆と七夕になったという説があります。
7月7日の七夕は、お盆の準備を始める日だったんですね。
七夕は、棚機女として選ばれた女性が、
7/6~7/7にかけて神様に奉納する機を折り、
7日には機を棚に収めて禊をするということから、
「棚機=七夕」と呼ばれるようになったと言われています。
そして、この時に飾られたのが、なすやきゅうりで作った七夕馬です。
この七夕馬が、1週間後に行われる、
お盆の精霊馬に変化したものだとされています。
七夕と精霊馬・精霊牛には、このような関係もあるんですね。
精霊馬・精霊牛はいつ飾るの?
では、このような精霊馬・精霊牛はいつ飾るのでしょうか。
ご紹介したように、地方によって、お盆の行事を行う時期は異なりますが、
多くの所では、8月13日の朝に、仏壇とは別に精霊棚を作り、
この棚の上になすやきゅうりで作った精霊馬を飾ります。
また、この日には、ご先祖様が迷われないように、
家の門口や庭先で迎え火を焚くのが一般的です。
では、この精霊馬と精霊牛はどうやって作るのでしょうか。
どうやって作るの?
作り方はいたって簡単です。
用意するものはなす、きゅうり、そして割り箸だけです。
なすときゅうりは少し曲がったものの方が、
出来上がりが動物らしく見えていいと思います。
作り方はごくごくシンプルで、
なすときゅうりに割り箸を刺して足を作るだけです。
なすはへたの部分を頭に見立てるのが一般的です。
ナスやキュウリの大きさが小さめの場合は、
割り箸を短く切ったほうがバランスがいいでしょう。
飾り方は?
でき上った精霊馬・精霊牛はどのように飾り方についてです。
一般的な盆棚は、正面に位牌などを置き、
季節の果物や砂糖菓子、お水などをお供えします。
精霊馬の飾り方ですが…
お迎えする日は位牌に向ける様に内側へ、
お送りする日は位牌に背を向ける様に外側へ向けて飾ります。
ただ単に置けばいいと思っていましたが、
向きにもちゃんとした意味があるんですね。
飾った後の処分方法
お盆が終わった後、精霊馬・精霊牛はどのように処分したらいいのでしょうか。
いくつか挙げてみましょう。
1、お寺で処分してもらう
昔は、川や海に流したり、土に還すなどの処置をしていたようです。
また、家で他のお盆の飾り物と一緒に燃やしていました。
しかし、現在では、環境の問題などもあって、
このような処分をすることはできません。
そこで、お寺にお願いすれば、
お焚き上げなどで精霊馬・精霊牛をはじめとする、
お供え物などを処分してもらえます。
但し、全てのお寺で可能ということはありませんので、
法事などをお世話になっているお寺に相談してください。
2、白い紙で包み、塩で清めて処分する
最も簡単にできる方法です。
半紙かキッチンペーパーなど白い紙に包んで、
塩で清めた上で生ごみとして処分します。
処分する時も、ご先祖様への感謝と供養の気持ちは忘れないようにしましょう。
以上、今回は、お盆の時になすときゅうりで作る、
飾り物についてご紹介しました。
その由来やお供えする時期などについては、様々あるようですが、
大切なことは、今、自分たちがこの世に生まれ、
元気に暮らせているのは、ご先祖様あってのものだという、
感謝と敬意を持つことです。
私も今年のお盆は、そんな思いを胸に、
精霊馬・精霊牛を飾り付けたいと思います。
最後に余談ですが…、家はきちんとした精霊棚を置くスペース…と言いますか、
寧ろ、お盆が終わった後に片づける場所の確保が厳しいので…
こうしたものを利用しています。
ご覧のとおりダンボールの組み立て式タイプです。
最初は大丈夫かな?と思ったのですが組み立てれば割と丈夫なので、
問題はありませんでした。
賃貸など、スペースが限られる場合で、中々正式な供養が難しい場合でも、
こうしたタイプなら、お盆期間中だけのスペースで済みます。
ちなみに2000円ほどです→商品のページ
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