エンテロウイルス68型と71型の症状やそれぞれの違いとは…
エンテロウイルス68型71型 症状の違い
間もなく季節は冬ですね。夏から秋、
冬へと移り変わる今の時期は体調を崩し気味な方も多いと思います。
特に子ども達を見ていると、春や秋などの季節の変わり目には
咳をしていたり鼻水がズルズルになっている子が非常に多いです。
いつもであれば少し気をつけてあげていればすぐ治っちゃうと思うのですが、
ここ最近急に注目を集め警戒が呼びかけられている
「エンテロウイルス」はちょっと厄介なようですね…。
噂によると軽い風邪のような症状だけではなく喘息を引き起こしたり、
酷い時には麻痺を引き起こすと言われているため不安になりますよね。
でも実は、皆さんお馴染みの「手足口病」や「ヘルパンギーナ」「ポリオ」
なども全部エンテロウイルスによる病気。
なぜ今になってこれだけエンテロウイルスが騒がれているのかというと…
今までは注目されていなかった新しいタイプのエンテロウイルスが
猛威を振るい始めたからのようです。
今回は比較的身近なエンテロウイルス71型と、
今話題となっている謎多きエンテロウイルス68型が引き起こす
主な症状やそれぞれの違いを確認していきましょう。
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エンテロウイルスにはいっぱい種類がある
エンテロウイルスの「エンテロ」は腸管を意味し、
腸管で増殖するウイルスの総称が「エンテロウイルス」。
分子レベルの研究により、ヒトのエンテロウイルスは
以下6グループに分けられています。
かなり細かいので「エンテロウイルスってこれだけ種類があるんだ~」
という程度に見ていただければと思います。
・ポリオウイルス…ポリオウイルス(1-3)
・エンテロウイルスA…コクサッキーウイルスA(2,3,5,7,8,10,12,14,16),
エンテロウイルス(71)
・エンテロウイルスB…コクサッキーウイルスA(9),コクサッキーウイルスB(1-6),
エコーウイルス(1-7,9,11-21,24-27,29-33),エンテロウイルス(69)
・エンテロウイルスC…コクサッキーウイルスA(1,11,13,15,17-22,24)
・エンテロウイルスD…エンテロウイルス(68,70)
・上記以外…コクサッキーウイルスA(4,6)
71型はエンテロウイルスA、68型はエンテロウイルスDのグループに属していますね。
エンテロウイルス61型71型の症状や特徴
71型の症状や特徴
71型が引き起こす物では「手足口病」が有名です。
症状は発熱・咽頭痛・手のひらや足の裏などに発疹が現れ、
口の中にも水泡ができ症状が1週間~10日程度続きます。
(一部の症状しか現れない場合もあります)
毎年6~8月頃子どもたちの間で流行るので
「乳幼児を中心に流行する夏風邪」と認識している方も
多いのではないでしょうか。
実は手足口病はエンテロウイルス71型だけでなく、
コクサッキーウイルスが原因となる場合もあります。
しかしエンテロウイルス71型による感染症例では頭痛・嘔吐などが起こりやすく、
重症化した場合は髄膜炎・脳炎・急性弛緩性麻痺をおこし急性脳炎に伴う
中枢神経合併症による死亡例が多いと報告されています。
68型の症状や特徴
今話題となっているのはこの68型で、
71型とは違い確立した病名はまだ無いようです。
実はエンテロウイルス68型は1962年に初めてウイルス株が分離された新しい型で、
症状は今判明しているだけで重症呼吸器疾患、弛緩性麻痺など…。
まだ現れる症状も完全に把握できていないのが現状です。
68型は去年8月~今年1月アメリカで大流行し、
今年8月から日本でも呼吸器疾患で入院していた子ども達より検出されました。
しかも1962年に見つかった物と最近流行っている68型とでは
大きく抗原性が異なる部分もあるようで、予防薬はもちろん特効薬もまだありません。
71型と68型の共通点
たくさんの違いがあるエンテロウイルス71型と68型ですが共通点もあります。
「感染するのは主に子ども」
もちろん大人も感染しますが、主に子どもがそれぞれの症状を発症しています。
子どもは汚い物も平気で触りますし、
涎や鼻水も手で拭うのである程度は仕方ないですね…。
手洗い・うがいをきっちりさせるようにしましょう。
「対処療法」
病気になってもその原因であるウイルスを排除するような薬はありません。
そのため、現れている個々の症状をそれぞれにあった薬で緩和しながら
回復させるのが主な治療法となります。
「予防にはうがい手洗い」
ワクチンなどがありませんので、基本的にうがい・手洗いをマメに行うことで予防します。
インフルエンザなど他の感染症予防でも一番推奨される予防法ですね。
エンテロウイルス まとめ
71型・68型に限らず、エンテロウイルスが引き起こす病気や症状は
本当に数多く存在していますね。
今回騒がれている68型はまだ解明されていない点が多いため注目を集めていますが、
世の中の環境や人に合わせて変化を遂げた物やまだ見つかっていない物など
これからも沢山のウイルスが出てくるんじゃないかなと思います。
医療も日々進歩していますが、自分自身を様々なウイルスから守るには
やはり基本的な毎日のうがい手洗いなどが重要です。
お子さんが体調を崩さないよう、小さいうちからしっかり「うがい」「手洗い」を
習慣化するようにしていきましょう!
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