2014年公開の劇場アニメ『楽園追放 -Expelled from Paradise-』から12年。2026年11月には、新作映画だけでなく、シリーズ初のゲーム『楽園追放 -The Stellar Angel-』も登場する。
気になるのは、このゲームが『楽園追放 -Expelled from Paradise-』と新作映画『楽園追放 心のレゾナンス』の「間を繋ぐ」完全新作ビジュアルノベルと位置づけられていることだ。
ところが、『心のレゾナンス』の劇場公開日は11月13日。『The Stellar Angel』の発売日は11月26日で、物語上はゲームが間に入るにもかかわらず、実際には映画の方が13日先に公開される。
では、『The Stellar Angel』は映画とどこまでつながっているのか。映画を見る前にプレイする必要はあるのか。現在明らかになっている情報から整理してみよう。
出典:東宝アニメ
『The Stellar Angel』は2014年版と『心のレゾナンス』の間をつなぐ作品
『The Stellar Angel』で描かれるのは、2014年版の物語が終わった後だ。
アンジェラとディンゴの「その後」から物語が始まる
主人公は、前作に続いてアンジェラ・バルザック。
フロンティアセッター事件を経てディーヴァを離れたアンジェラは、現在、地上人のディンゴ(ザリク・カジワラ)とともに地上で「なんでも屋」として暮らしている。
つまり『The Stellar Angel』は、シリーズの世界観を使った外伝ではない。
前作で大きな決断をしたアンジェラが、その後どのように地上で生きているのかを直接描く物語になっている。
一方、新作映画『心のレゾナンス』では主人公が変わる。
『心のレゾナンス』では「フォールン」を追う新たなエージェントたちが登場
『心のレゾナンス』で中心となるのは、ディーヴァ保安局の三等官エージェントであるガブリエルたちだ。
2014年版で起きたアンジェラの叛逆。その際、アンジェラにハッキングされた大勢の保安局エージェントが地上へ脱走し、マテリアルボディとパーソナルデータを保存するハードウェアを強奪した。
彼らは地上へ身を潜め、ディーヴァから「フォールン」と呼ばれる存在になっている。ガブリエルたちは、そのフォールンの正体を追うことになる。
整理すると、
2014年版:アンジェラがディーヴァを離れる
↓
『The Stellar Angel』:地上で暮らすアンジェラとディンゴの新たな事件
↓
『心のレゾナンス』:ガブリエルたちがフォールンを追う
という大きな流れが見えてくる。
『The Stellar Angel』が「間を繋ぐ」と明記されたことで、ゲームは単なるメディアミックスではなく、シリーズの空白を埋める作品として位置づけられたわけだ。
物語上は映画より前なのに、ゲーム発売は13日後
ここで少し不思議なのが発売順だ。
『心のレゾナンス』は2026年11月13日に劇場公開され、『The Stellar Angel』は11月26日に発売される。
物語の位置だけを考えれば、
前作
↓
ゲーム
↓
映画
の順番で触れたくなる。
しかし発売スケジュールでは、
前作
↓
映画
↓
ゲーム
となる。
映画を見る前にゲームを遊ぶ必要はある?
現時点では、『The Stellar Angel』をプレイしなければ『心のレゾナンス』を理解できない、という情報は出ていない。
ゲームが2014年版と新作映画の「間を繋ぐ」ことは明言されているが、
- ゲームの事件が映画へ直接続くのか
- ゲームの登場人物や出来事が映画でどこまで扱われるのか
- ゲームを先に知ることを前提に映画が作られているのか
といった具体的な接続方法までは明らかになっていない。
映画が13日先に公開される以上、少なくとも現状の情報だけから「映画を見る前にゲームをプレイすべき」と考える必要はなさそうだ。
むしろ、映画を見たあとにゲームでアンジェラ側の空白を知ることで、シリーズ全体の見え方が変わる設計になっている可能性もある。ただし、これは発売順から考えられる楽しみ方の一つであり、作品同士の具体的な接続内容は今後の情報を待つ必要がある。
ゲームと映画には似た要素もあるが、関係はまだ不明
『The Stellar Angel』では、ディーヴァ保安局のエージェントが、ナノハザードのデータを記録した極秘ファイル「グレイ・グー」を盗み、地上へ脱走する事件が発生する。
一方、『心のレゾナンス』でも、ディーヴァから地上へ脱走した保安局エージェント「フォールン」が物語の重要な存在になっている。
どちらにも「ディーヴァ保安局から地上へ脱走したエージェント」という共通項がある。
ただし、ゲームでグレイ・グーを持ち出した人物と、映画で追跡されるフォールンとの具体的な関係はまだ明かされていない。
ここは両作品をつなぐポイントとして気になるところだが、現段階では同一人物や直接関係する事件だとは断定できない。
アンジェラの選択を左右する「K2-system」
『The Stellar Angel』を単なる「映画までの空白を埋める物語」と考えると、もう一つ重要な部分を見落としてしまう。
本作はビジュアルノベルであり、プレイヤー自身の選択がアンジェラの物語に影響する。
選択によってアンジェラの感情と物語が変化
ゲームの中心となる選択システムが「K2-system」だ。
2014年版では、地上へ降りたアンジェラがディンゴと出会い、その価値観を少しずつ変化させていった。
『The Stellar Angel』では、その先のアンジェラの感情の変化を、プレイヤーが選択を重ねながら追っていく。
前作の続きをただ見るのではなく、アンジェラが地上でどんな選択をするのかにプレイヤー自身が関与することが、アニメとは異なるゲーム版ならではの特徴だ。
複数エンディングなのに、どう映画へつながる?
さらに興味深いのが、『The Stellar Angel』には複数のエンディングが用意されていることだ。
選択によって物語が分岐し、中には「後戻りできない」結末も存在するとされている。
ここで新たな疑問が生まれる。
2014年版と『心のレゾナンス』の間を繋ぐ作品なのに、なぜ結末が一つではないのか。
特定のルートが映画へ続くのか。それとも映画との接続とは別に、ゲーム独自の可能性を描く仕組みなのか。
現時点では、どのエンディングがシリーズ上の「正史」に相当するのか、そもそも正史という考え方が設定されているのかも発表されていない。
映画との関係以上に、このK2-systemの詳細は『The Stellar Angel』を理解するうえで今後注目したい部分だ。
「平行植物」とグレイ・グーを巡る新たな事件
ゲーム本編では、西暦2400年の地上で新たな異変が起きる。
巨大ワームを呼ぶ謎の新生物「平行植物」
荒廃した地上に、突如として「平行植物」と呼ばれる謎の新生物が出現する。
平行植物は急速に繁殖域を広げ、その周辺には巨大なワームが現れ、人間を襲うようになった。
発生の中心となっているのは、かつて疫病によってゴーストタウンになった砂漠の町「スヴァルガ」だ。
ナノハザードの極秘ファイル「グレイ・グー」もスヴァルガへ
同じ頃、ディーヴァ保安局のエージェントが、ナノハザードに関するデータを記録した極秘ファイル「グレイ・グー」を盗んで地上へ脱走する。
その行方もまた、スヴァルガへ続いている。
「平行植物と巨大ワーム」という地上側の異変と、「グレイ・グーを持ち出した保安局員」というディーヴァ側の事件。
この二つが同じ町で交差し、アンジェラとディンゴが事件へ巻き込まれていくことになる。
シナリオを担当するのは、劇場アニメ『楽園追放』の前日譚小説『楽園追放 mission.0』を手がけた手代木正太郎氏。今回はゲームシナリオとして、十数年ぶりに『楽園追放』の物語を手がける。
通常版・DL版・限定版は何が違う?
『The Stellar Angel』はNintendo SwitchとPC(Steam)向けに、2026年11月26日発売予定だ。
選べるのは、パッケージ通常版、ダウンロード版、パッケージ限定版の3種類となる。
| 種類 | 価格(税込) | 対応 |
|---|---|---|
| パッケージ通常版 | 6,380円 | Nintendo Switch |
| ダウンロード版 | 5,280円 | Nintendo Switch/Steam |
| パッケージ限定版 | 11,880円 | Nintendo Switch |
限定版の注目は約70ページの書き下ろし小説
限定版には4つの特典が付属する。
- 書き下ろし小説『風の白鯨』(約70ページ)
- オリジナルサウンドトラック
- B2タペストリー
- 天使の羽風メタルブックマーカー
書き下ろし小説『風の白鯨』を担当するのも、本編のシナリオを手がける手代木正太郎氏だ。
通常版との差額は5,500円。
グッズだけでなく約70ページの新作小説が含まれるため、限定版は「ゲームだけ遊べればいいか」ではなく、『楽園追放』の新しい物語をどこまで追いたいかで判断する商品になりそうだ。
8月21日からパッケージ通常版・限定版の予約が始まり、Steam版はウィッシュリスト登録を受け付けている。ダウンロード版の予約開始時期については今後案内される予定だ。
まとめ
『楽園追放 -The Stellar Angel-』は、2014年版でディーヴァを離れたアンジェラとディンゴのその後を描きながら、2026年の新作映画『心のレゾナンス』との間をつなぐ作品となる。
ただし、映画を見るためにゲームのプレイが必須なのか、ゲームで起きる事件が映画へどうつながるのかは、まだ明らかになっていない。
むしろ現時点で注目したいのは、単純な前日譚として作られていないことだ。
プレイヤーの選択でアンジェラの感情や物語が変わり、複数のエンディングへ分岐するK2-systemが用意されている。映画へつながるシリーズ作品でありながら、アンジェラの「その後」に複数の可能性を持たせている点は、『The Stellar Angel』ならではの特徴だ。
そして、物語上は映画より前に位置するゲームが、実際には映画公開の13日後に発売される。
『心のレゾナンス』を見たあとでアンジェラ側の物語を知ることになるのか。それとも今後、両作品の関係をさらに明らかにする情報が出てくるのか。
発売日の決定によって、『The Stellar Angel』は「楽園追放初のゲーム」というだけでなく、12年ぶりに動き出したシリーズの空白をどう埋める作品なのかという点でも気になる一本になってきた。
