役立つ熱中症対策キットの中身は?何ができるの?
熱中症対策キット
暑い季節になると、特に注意が必要なものとして、熱中症がありますよね。
暑さによる脱水や体温上昇のせいで、ぼーっとしたり、酷くなると、手足のしびれや
頭痛、吐き気、やがて意識を失い肝臓や腎臓機能に障害が出る大変恐ろしい、アレです。
ですので、多くの方はそうならないように、暑い季節になると、
水分をこまめにとったり、塩飴を用意したり、予防対策はしておられることと思います。
しかし、そうやって日頃から予防をしていても、熱中症になってしまうことはあります。
気を付けていても、移動や仕事などの理由で暑い場所で長時間過ごすとか
水分補給が出来ない就寝中に…とか、熱中症リスクは常にありますからね。
では…そうして熱中症になってしまった場合はどうしたらいいのでしょうか?
まず、やるべきことは、応急処置です。
救急車を呼んだ場合も、すぐに救急隊が到着するとは限らないので、
それを待つ間に、少しでも身体へのダメージを減らすために応急処置をするのは、
とても重要なことなのです。
また、症状が軽い場合は、応急処置で回復することも多いですしね。
でも、こうして熱中症になったら応急処置をしましょう、言われても、
実際、何を準備して、どうすればいいのか、よくわからない、という方は多いと思います。
自分自身でも周りの人でも、いざ熱中症になってしまったら、焦りますし
また自分がなった場合は軽度でも吐き気やめまいの中処置をするわけですから
そんな状況の中で、あれを用意して、これをして…なんてすぐに出来ないですしね。
そこで、今回そんな、
「熱中症の応急処置って何を用意するの?」「どうすればいいか分からない…」
という方に、おすすめしたいのが、熱中症対策キット。
熱中症対策キットとは、熱中症の応急処置などに必要な道具が全てセットになったもので
日頃から準備しておくことで、いざという時、慌てずにそれを使って対処ができますし、
また、持ち歩きしやすいタイプ多いので、野外活動時などに持参して備える、
という使い方もできる優れものなのです。
今回はこの、熱中症対策キットについて、
主にどんな中身が入っていて、どんな使い方をするのか、
また熱中症対策キットにはどんな種類や値段のものがあるのか、など
色々調べてご紹介します。
ぜひ、ご自身で準備できる熱中症対策のひとつとして、参考にしてみてくださいね。
熱中症とは?なってしまった時の応急処置は?
熱中症対策キットについてご紹介する前に、
熱中症の症状と原因、そして熱中症になってしまった場合の応急処置について
書いておきます。
熱中症対策キットはあくまで、それを使って応急処置をするという道具でしかないので、
熱中症そのものや、対策で何をすべきか、を知っておかないと、役にたたないからです。
また、これらをきちんと知って、把握しておく事で、
後で、色々な熱中症対策キットの中からひとつを選ぶ際に、
ご自身に合った、納得のいくものを、選ぶことができますよ。ぜひ覚えてみてくださいね!
熱中症の症状と原因は?
熱中症とは、暑い環境にいる時におこる身体適応障害のことをいいます。
熱中症になると、脱水による体温上昇と、それに伴う臓器血流低下と多臓器不全により、
めまいや手足のしびれ、吐き気など、様々な症状がおこります。
軽症だと症状は主に、
眼前暗黒、気分が悪い、手足のしびれ、四肢・腹筋の痙攣、こむら返り、筋肉痛、硬直、
血圧低下、皮膚蒼白などで、多くの場合は
木陰で休んだり、水分補給や衣服をゆるめて身体を冷やすことで回復できます。
中等症の症状になると、
強い疲労感、頭痛、吐き気、倦怠感、脱力感、大量発汗、頻脈、めまい、下痢
が起こり、こうなると、医療機関での治療や管理が必要になります。
更に、もっとひどい重症になると、
深部体温上昇、脳機能障害による意識混濁、譫妄状態、意識喪失、
肝臓機能障害・腎臓機能障害、血液凝固障害などが起こり、
これは、救急車を呼び、
救命医療を行う医療施設に搬送しての治療が必要なレベルになります。
ちなみに重症だと、致死率は30%で、
助かっても、脳機能障害や腎臓障害の後遺症が残る場合もあります。
熱中症になる原因としては、主なものは屋内外問わず高温や多湿で、
21~ 25℃あたりから要注意になり、
25℃あたりから患者が発生し、そこから段階的に増え、31℃を超えると急増します。
予防方法は、まずは環境温度を熱中症を発症する温度以下にすること。
具体的には、扇風機、エアコンで温度を28℃以下に調整したり、日傘・帽子の利用、
通気性・吸湿性・速乾性の良い衣服の着用、身体を冷やすことですね。
そして、こまめな水分補給です。
これは、喉の渇きを感じなくても水分、塩分、経口補水液など補給をするのが必要です。
熱中症になってしまった場合にするべき応急処置
熱中症になってしまった場合は、症状のによって以下の応急処置をします。
①身体を冷やす
熱中症になったら、応急処置の中で一番重要なのがとにかく身体を冷やすことです。
具体的には、直射日光を避けて、日陰や木陰に移動し、衣服をゆるめて安静にさせたり、
太い血管のある首、両脇、足の付け根を冷たいものをあてて冷やす、などをします。
②水分補給
意識がはっきりしている場合は、
0.1 - 0.2%の食塩水、経口補水液、スポーツドリンクなどで水分を補給します。
ただし、意識がはっきりしない場合は、
口に入れたものが気管や肺に入るおそれがあるので水分補給は避けます。
痙攣や意識不明などの状態で、水分の自力補給が行えない場合は、救急車を呼んで、
その上で、①の方法で速やかに身体を冷やします。
なお、①②の応急処置をして、水分の自力補給が行えたとしても、
手足のしびれ・吐き気・疲労感などの症状が改善しない場合は、
病院で診察を受けてください。
熱中症対策キットとは?その中身とデキル事!
熱中症対策キットとは、冒頭でも書いたとおり、
熱中症になってしまった場合に、応急処置をするための、
必要な道具などが全て、バッグなどに入れられて、セットになったもののことです。
では、その中身がどんなもので、それを使って何ができるのかというと…
熱中症対策キットには、色々な種類があるのですが、ここでは代表として、
いち早くこうしたセットを作ったミドリ安全の熱中症対策キットを例として、
キットには主にどんなものが入っているのか、それで何ができるのか、
そんな気になる熱中症対策キットの中身をご紹介しますね!
ミドリ安全の熱中症対策キットは、
飲料水、食塩、叩けば冷える瞬間冷却剤、圧縮タオル、液晶体温計 ミニチェック、扇子、
暑さから身を守ろう「働く人の熱中症予防」というマニュアル本、が入っており
これらがコンパクトなショルダーバッグに纏められている応急処置セットになっています。
これらで、何ができるのか、どういう使い方をするのかというと…
めまい、立ちくらみなどの比較的軽症の場合は、
セットの中の食塩を舐めながら飲料水を飲み、水分と塩分を補給、
服を緩めて涼しい場所に移動し、
水に濡らした圧縮タオルや瞬間冷却材で身体を冷やします。
意識が無いなど重症な場合は、涼しい場所に移動させて服を緩め、
飲料水を直接身体にかけ、扇子で仰ぎ、
瞬間冷却材や、水で濡らして冷やした圧縮タオルを
太い血管のある首、両脇、足の付け根にあてて身体を冷やします。
また、セットの体温計で体温や体調をチェックします。
どうですか?
こうして具体的な使い方を知る事で、熱中症対策キットがその名の通り、
これを使えば熱中症になった場合に必要な応急処置が、
しっかり効果的に行うことができるキットである、ということが、
わかって頂けたのではないでしょうか?
ちなみにキットに入っている中身は、それぞれ個別にでも買えるものが殆どなので
(一度使ったら補充が必要なものが殆どなので当然ですが)
全てバラバラに自分で用意して、手持ちのバッグにまとめておく、
というのもアリだと思うのですが、それだといざという時、焦った精神状態だと、
「あれ?どのバッグに入れておいたっけ…?」となる可能性があるんですよね。
その点、こうした熱中症対策キットでしたら、
バッグの見た目からして緊急用という感じで目立ちますし、
中身を使った場合でも、自然と「補充しておかなきゃ」と意識も向きますので、
よりしっかり熱中症対策をしたい、準備しておきたい、という方には、
キットで用意することをおすすめしますよ。
市販されている熱中症対策キット種類と値段
前項では、主な熱中症対策キットの中身として、
代表としてミドリ安全のものをご紹介しましたが、
熱中症対策キットには他にも色々あります。また、価格もそれぞれ違うんですよ。
この項では、そんな色々ある熱中症対策キットで、
おすすめのものをいくつかご紹介します。
キットの購入をお考えの方、ぜひご自身に合ったものを見つけるために
参考にしてみてくださいね。
クールビット 熱中症応急キット(12,800円)
こちらは、順天堂大学スポーツ医学桜庭研究室の監修で
「いかに短時間」で適確に、熱中症対策応急対応ができるかを考えて作られた
応急対応キットです。
キットの内容は、専用バッグ+貯水パック、瞬間冷却剤8個、
頸動脈ポケット、冷却材装着ベルト4本、チタン三角巾、送風板2枚、
応急マニュアル、応急マニュアルポスター、熱中症応急説明DVD、
…という、超本格的な熱中症の応急処置用品が入っています。
専用バッグは貯水パックをつければ貯水槽ににもなるので水を入れて使えますし、
頸動脈ポケットは直接首回りを冷やす事ができ、
チタン三角巾は体温上昇を防ぐ冷却布として、何度でも使うことができます。
熱中症対策キットとしては、ちょっと高価な部類に入るお値段ですが、
この中身を見ると納得ですよね。高い効果も期待できます。
ミドリ安全 熱中症対策 応急キット(5,400円)
前項でもご紹介した、ミドリ安全の熱中症対策キットです。
オレンジ色のコンパクトで運びやすくしかも目立つバッグと、
飲料水×4袋、食塩10g×1袋、叩けば冷える瞬間冷却剤×4個、圧縮タオル×2、
液晶カード型体温計×2個、扇子×1個、「働く人の熱中症対策」×1冊
がセットになっており、必要な熱中症の応急処置がこのキットのみで行えます。
また、こちらのキットは、中の消耗品を使ってしまった場合の
補充用の消耗品セットも売られているので、
補充の時に同じものを探す手間もなく、安心して処置で使うことができますよ。
熱中対策キットミニ(MINI) (2,100円)
書棚などにもスッと入れておける、シンプルで小さなケースに、
熱中対策水(500ml)×1本、5年保存水(500ml)×1本、塩タブレット×1個
熱中症予防カード×1枚、瞬間冷却パック×2個、冷感タオル×1枚、
という、熱中症対策には十分な内容が詰まっていて
しかも今すぐ気軽に用意できる安めのお値段も嬉しい、熱中症対策キットです。
野外活動や現場作業用のような大層なものはいらないけれど、
備えだけはきちんとしておきたい、
持ち歩く予定が無い、家や職場に常備しておきたいので、収納しやすいものがいい…
という場合におすすめの、熱中症対策キットですよ。
熱中症対策キット DX BR-610(7,560円)
シルバー色のシンプルで使いやすいアルミクーラーバッグに、
熱中対策水500ml×1本 、5年保存水500ml×2本、熱中症予防カード×2枚、
瞬間冷却パック×5個、マイクロファイバーフェイスタオル (約35×80cm)(ブルー)×2枚
塩タブレット約33g(約15粒)×2袋、シール×1枚、
と応急処置に必要なものがたっぷり入った16点セットの熱中症対策キットです。
キットのサイズが大きめですが、その分内容量も多めですので、
数人の家族で出かける際なども、「足りるかな?少ないかな?」と
心配せずに持っていくことができますよ。
また、タオルはちょっと嵩張る感じはしますが、大きめなので、
身体を拭いたり冷やしたり、これはこれで使いやすいと思います。
熱中症対策キットを購入するなら、これらの4つがおすすめですよ。
値段の違いの理由は、中身の量や種類や機能、
バッグの機能やデザインなど色々ですが、
自宅や職場に常備するのか、持ち歩きたいのか、など、使う場面などを考えて、
条件や予算に合うものを、選ぶと良いと思います。
以上、熱中症対策キットについて、
気になる中身や、その中身でできること、おすすめキットの他、
熱中症の基本である原因や症状、応急処置、などのご紹介でした。
熱中症って、冒頭でも記事中でも書きましたが、
本当に、日頃から気を付けていても、
なってしまう危険性を完全に避けることができないものなんですよね。
夜寝る時に、風邪をひきたくないからといってエアコンを切って寝て、
朝起きたら頭痛とめまいと吐き気が…とか、
外出先が暑くて、帽子や首のタオルを装備していても、ちょっと頭がぼーっとして…とか、
よくありますしね。
そして、よくあることだからこそ、それが重症化する確率や危険性も高いんです。
ですので、そうなったときに、いち早く必要な応急処置ができるかどうか、
そのために必要な備えができているかどうか、というのは
本当に重要なことですし、
これらについてきちんと知り、備えをしておくことは、いざという時に必ず役に立ちますよ。
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